沈黙の戦艦 (1992) : Under Siege

テロリスト集団に占拠された戦艦を奪回するため、孤軍奮闘する男の姿を描く海洋サスペンスアクション。アラバマ州モービル湾に停泊し、現在は船の博物館となっているUSAアラバマ号を改造して撮影された。監督はアンドリュー・デイヴィス。脚本はJ・F・ロートン。撮影はフランク・ティディー。音楽はゲイリー・チャンが担当。

監督:アンドリュー・デイヴィス
出演:スティーヴン・セガール、トミー・リー・ジョーンズ、ゲイリー・ビジー

沈黙の戦艦 (1992)のあらすじ

核兵器を手に入れるためにUSSミズーリ号を襲ったテロリスト集団から、海軍特殊部隊上がりの料理人がほぼ一人だけの力で船を奪還する。

沈黙の戦艦 (1992)のストーリー

退役が発表されたアメリカ海軍のアイオワ級戦艦「ミズーリ」は、ハワイでの記念式典を経て、サンフランシスコに向かって最後の航海を始めた。艦のコック長を務めるケイシー・ライバック上等兵曹(スティーヴン・セガール)は敬愛する艦長のJ・T・アダムス大佐(パトリック・オニール)の誕生日を祝うため、食事の準備を行っていたが、もとより仲の悪い副長のピーター・クリル中佐(ゲイリー・ビジー)の命令に背いたため、彼の勘気に触れ乱闘騒ぎを起こす。コックにしては強いライバックに勝てないクリルは上官権限で処分しようとするが、営倉処分には艦長の許可が必要なため、彼をキッチンの保冷倉庫に閉じ込める。

クリルは艦長に対するサプライズ・パーティーを企画しており、ロックバンドやケータリング業者、プレイメイトなどを独断で乗船させる。ところがロックバンドやケータリング業者の正体は、元CIA工作員のウィリアム・ストラニクス(トミー・リー・ジョーンズ)率いるテロリスト集団であり、クリルもその仲間だった。一味はアダムス艦長を殺害したうえ、乗組員たちを船倉や船室に監禁し、ミズーリを乗っ取ってしまう。さらに確認のため飛来した戦闘攻撃機を対空砲で撃墜する。その狙いは艦に搭載されているトマホーク巡航ミサイルを奪い、ブラックマーケットに転売することであった。しかもトマホークの一部は核弾頭を装備していた。

倉庫に閉じ込められたがゆえに難を逃れたライバックだったが、その素性は海軍特殊部隊「ネイビー・シールズ」対テロ部隊の元指揮官(海軍大尉)であった。彼はパナマ侵攻時に情報の行き違いから部下を多数死傷させ、当時の情報将校を殴打して降格処分になったところを、不憫に思ったアダムスの計らいで、前歴を伏せたまま艦の烹炊所に配置されていたのだった。不穏な事態に勘づいたライバックはクリルの命令で自分を殺しにやってきたテロリストを、その場のものを使って効果的に返り討ちにする。やがて不審に思ったクリルは艦長室の資料からライバックの来歴を知り驚く。

状況把握を始めたライバックは、何も知らずに巻き込まれたプレイメイトのジョーダン・テート(エリカ・エレニアック)や、船室に閉じ込められた同僚を発見し、共に艦の奪回に向けて動き出した。一方、ストラニクスは攪乱のため、国防総省に戦艦を乗っ取ったことを通告する。これを受けて海軍のベイツ提督(アンディ・ロマーノ)らは対応を迫られ、衛星電話経由で連絡がついたライバックに現場指揮の全権を与え、援軍として海軍特殊部隊と武装ヘリを派遣する。ライバックたちは兵器管制システムの電源を断つが、接近してきた援軍はテロリスト集団の潜水艦から携帯式地対空ミサイルで撃墜される。ベイツ提督は最終手段として人質の乗組員もろともミズーリを撃沈することを決断する。

ストラニクス一味は過去の秘密作戦で北朝鮮から奪った潜水艦にミサイルを積み込み始める。一方、ライバックを仕留められず業を煮やしたクリルは船倉に注水して乗員たちに溺死の危険を与えることで、彼を誘い出そうとする。しかし、ライバックに出し抜かれたうえ、ミサイルの積み込みが終わってその場を離れようとした潜水艦もライバックの仲間たちに砲撃されて撃沈され、潜水艦内にいたクリルも死亡する。

潜水艦が撃沈され自暴自棄となったストラニクスはホノルルに向けて核弾頭を装備したトマホークミサイル2発を発射する。迎撃機が破壊できたのは1発だけで、残る1発を阻止するためライバックはCICに乗り込み、ストラニクスとナイフと徒手格闘による一騎討ちを展開。ストラニクスはまったく歯が立たないまま返り討ちにされ、勝利したライバックはトマホークに指令信号を送って空中で自爆させ危機を阻止する。ミズーリへの爆撃作戦は中止され、船倉に閉じ込められ水攻めを受けていた乗員たちも救い出される。

そして後日、サンフランシスコに到着したミズーリ艦上ではアダムス艦長の葬儀が営まれ、ライバックたちミズーリ乗員一同とテートが艦長に別離の敬礼を贈る場面で物語は終わる。

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