ノーカントリー (2007) : No Country for Old Men

作品賞など、アカデミー賞4部門に輝いたコーエン兄弟監督作。ある血生ぐさい事件にかかわった男たちの運命を、乾いた暴力とユーモアを織り交ぜて描き出す。

監督:ジョエル・コーエン
出演:トミー・リー・ジョーンズ、ハビエル・バルデム、ジョシュ・ブローリン、ケリー・マクドナルド、ギャレット・ディラハント

ノーカントリー (2007)のあらすじ

1980年代のテキサス。ベトナム帰還兵モスが荒野で大金を手に入れた。しかし逃亡を図る彼を、シガーという謎めいた殺し屋が執拗に追跡。やがて両者の攻防は、地元の保安官ベルを巻き込んでいく。

ノーカントリー (2007)のストーリー

1980年、テキサス州西部。ベトナム帰還兵であるブルーカラーのルウェリン・モスは、狩りの最中に荒野で行われていたアメリカン・ギャングとメキシコ・ギャングによる麻薬取引の現場に偶然出くわし身を隠す。交渉は決裂して激しい銃撃戦が起こり、全員が死亡する。モスは現場で200万ドルの入ったカバンを発見し、家に持ち帰ったモスであったが、水を求めていた瀕死の男が気になり、自分がバカなことをしているとわかったうえで深夜に現場に戻る。しかしギャングの仲間が現場にやってきたために慌てて逃げ出し、車を残してきてしまう。ここから足がついてモスが金を奪ったことがギャングにも地元の老保安官ベルにも知られる。

アメリカン・ギャングのボスは腕は立つも精神が異常な殺し屋アントン・シガーを雇い、金の回収を命じる。一方、モスは妻のカーラを彼女の実家に避難させ、ギャングの襲撃から身を隠すため郊外のモーテルへと向かう。ところがカバンには小型発信機がついており、シガーには居場所が筒抜けであった。シガーが部屋に突入するも、モスはおらず、同じく金の回収を狙っていたメキシコ・ギャングと鉢合わせし、彼らを皆殺しにする。用心深いモスは実は巧妙に部屋を変えており、難を逃れる。ボスはシガーが今一信用できず、失敗した時の保険としてベトナム帰還兵のベテラン賞金稼ぎカーソン・ウェルズも雇う。

モスはカバンを持って町中の別のホテルへと潜伏するが、そこでようやく発信機に気がつく。しかし、既に遅くシガーが迫っていた。シガーはモスに金を返せば妻の命までは取らないと提案するが、彼は窮地に陥りながらも果敢に反撃し、シガーに重傷を負わせて撃退することに成功する。身元を隠して病院に入院したシガーの元にウェルズが現れると彼を挑発する。シガーは隙をついてウェルズを殺すと、そのまま不義理を働いたボスも殺害する。

モスを保護するために彼の行方を探すベルは、カーラから事情聴取を行う。モスを追う者たちがどのような存在かを知って悲観したカーラは、彼から落ち合い場所として連絡を受けていたエルパソのモーテルの場所を教える。ベルは急いで現場に向かうも、一歩遅く、メキシコ・ギャングによってモスは殺害されていた。いったん現場を離れた後、ベルはシガーに会えるかもしれないと現場に戻るが、既に彼は立ち去った後であった。ベルは元保安官であった叔父に会いに行き、もはや最近の情勢にはついていけないと引退を決めたことを話すが、自身の叔父も自宅ポーチで殺されたことを挙げ、この地域は昔から暴力的であったと諭す。

後日、母の葬儀を終えたカーラの元にシガーが現れる。シガーはモスとの取引の話を行い、彼は約束を守らなかったためにお前を殺しに来たと話す。しかし、シガーの信条としてコイントスで表裏を当てることができれば見逃すとも伝える。しかし、カーラは私を殺すのは私自身の選択の結果ではなく、お前自身の選択だと反抗し、表裏を答えることを拒否、カーラの家から出てきたシガーは不意の交通事故に遭って負傷する。

エピローグ。引退したベルが妻に昨夜見た夢を話す、彼のモノローグで物語は閉じる。

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